解決事例
- 2021.03.30
- 家族信託で、マンションオーナ様の認知症対策をサポートしたケース
状況
東京都内にお住いのTさん(男性・70代)と長女さん(40代)から、認知症対策についてご相談を受けました。
Tさんはマンションに奥さんと次女さんと3人暮らし、近くに長女さんご家族が住んでいます。
Tさん名義のアパート1棟、また土地をを飲食店に貸しており、今後も、引き続き契約を更新して貸していく予定です。
しかし、もしTさんが認知症等で判断能力が衰えてきた場合、契約の更新ができなくなる可能性があるため、そのあたりの管理を長女さんにお任せできないかということで、心配をされていました。
家族信託の設計
当センターでは、Tさんと奥様、長女さん、次女さんの間で家族信託契約を結ぶご提案をしました。
今回の家族信託のスキームは以下のとおりです。
・信託財産:管理しているアパート・貸している土地・現金700万円
・委託者:Tさん
・受託者:長女さん
・受益者:Tさん
・第二受託者:次女さん
・受益者代理人:奥さん
・財産の帰属先:長女さん・次女さん
委託者(受益者)であるTさんが亡くなられた時点でこの信託は終了し、残余財産は長女さん、次女さんに承継されます。
信託終了時に亡くなられていた場合には、法定相続人が最終の帰属権利者となるようにしました。また、Tさんの奥さんを受益者代理人としました。
家族信託によるメリット
Tさんが認知症などできちんとした判断ができなくなってしまうと、不動産の賃借人との再契約や、売却ができなくなってしまいます。
今回、家族信託契約を長女さんと結んだことによって、法的にクリアな形で、Tさんに代わって長女さんが不動産の管理ができるようになりました。また同時に、それらの利益は、Tさんや奥様の生活、介護など必要な費用に確実に使えるような設計を行いました。
現在不動産を貸している賃借人との契約がいつ終わったとしても、建物の取り壊しや土地の売却が、長女さんの判断で任意の時期にできるようになり、不動産が塩漬けにならずに済みました。
Tさんは、健康にも気を使い、まだまだお元気ですが、早めに家族信託契約をしていただき、もしものリスクに備えることができました。
また、ご家族とこれらのことを話し合う中で、想いの整理や、伝えたいこと、大切にしたいことが共有することができ、対策をしてよかったと感じているそうです。
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